【寿命のお話し】
人の長寿では常に世界のベスト5に入っている日本ですが、住宅のことになりますと、その寿命は、25年とも30年ともいわれ、短命と言わざるを得ません。
住宅平均寿命の海外事情はと言いますと、アメリカは45年、イギリスでは75年ぐらいはだといわれ、 100年住宅もめずらしくないようです。
大きな借金をしてやっと建てた家、ようやくローンを払い終え30年、そろそろ建て替え時期?というのが、日本の標準です。
親ががんばって建てた家も、子の世代になったら、また新たなライフスタイルに合わせて立て直す、あるいは二世帯住宅にというケースもあるでしょう。こんな具合に、親から子へ、常に住宅ローンと付き合っていないといけないようなしくみに・・・。
私、30年後、もし生きてたら74歳。
建て主様が次も青沼にって言っていただけるのは嬉しいですが、生きていたとしてもきっとその辺が、仕事できる限界かも知れません。(^_^;)
それに、幸いまだ経験していませんが、私がお手伝いさせていただいた家が壊されていくのを見るのもつらいものでしょう。ですから、私がお手伝いをさせていただいた家は、建替を見ずにあの世に行く覚悟です。(笑)
おっと脱線、本題に戻りましょう。(^^ゞ
極端な話、30年もつ家を30年かけてローンするんだから、それを3世代続けたら・・・30年×3世代=90年です。この論理から言うと、90年もつ家なら90年かけてローンしても良いんですよね。“三世代リレー”ですが、 90年もつ家だからといって3倍の建築費がかかるコトが無いことぐらい、だれでもわかることですよね。と言うわけで、いきなり90年もつ家を目標にするのは荷が大きすぎるので、2倍の60年ぐらいはもつ家を目標にして(お財布にも気負わず)すまいづくりをご提案できたらと、思っております。
(けっして60年でこわれるわけではありませんが。)
もう一つ、短命住宅のいけないことは、やはり地球環境に対してです。 50年かけてやっと一人前に成長した木を使って建てた家、 30年で壊してしまっては、作付け面積を増やす以外時給と供給のバランスをとる方法はありません。現実には、伐採スピードに成長が追いつかないのだから、緑が減っていくことに。
しかし、50年かけて育った木を使って、60年もつ家をつくったとしたら?
緑は減りません。
またまたもう一つ、アマゾンの森林が減った分の材木の多くは日本へ輸入されています。その反面、日本の山は、手入れが行き届かず荒れ放題。日本にだって、安くていい木材はたくさんあるんです、それを使わない手はないのです。
林業だけの問題ではないです。農業も何もかもってことになってしまいますが、チョットー“メイドインジャパン!”どうなってんのよーと言いたくなってしまいます。
たとえば建築材料ひとつを取ってみても、100年前から使われて今も現役の材料は、101年目でダメになるとは思えませんし、きっと、あと100年後も現役でちゃんと建材やってると想像してます。しかし、ここ数年出てきた新建材は、100年後どうなっているかは「?」です。古けりゃいいってことでもありませんけど・・・。建材の大臣認定を不正取得するという問題もおきて、ますます信じられなくなってます。何を信じたらいいのかと・・・。
ですから、もう一度原点に返って、日本の“すまいに対する考え方”をチョット変えていただけたら、みんなにやさしいすまいになるんじゃないかなぁなどと考えたりします。