【だれのための法改正?】
一連の耐震偽造問題をうけて、先月(6月20日)建築基準法が改正された。
しかし、僕ら設計事務所で働いている人間でも、その内容について完全に把握している人はほとんどいない。それにもまして、監視する側の行政に聞いてもはっきりした回答がないような状況、これはいかがなモノか。
確実にわかっているのは、完成までの工期が延びると言うこと(のみ?)。
新たな確認検査制度(建築確認申請)では設計期間が延びるうえ、工事途中の計画変更も厳しくチェックされるようで、
着工後、施主による間取りの変更があった場合なども、計画変更届の確認がおりるまで現場は止まる。
申請前に全ての設計を終え、変更の無いように工事を完了するには、どれだけ打合をしたって足りないだろうし、現実問題、設計変更無しに完成するのはとても難しいこと。
現場が始まれば、納まりのわるいところも出てくるであろう、建物が形になるにつれ、施主のイメージもできあがってきて「やっぱり○○○したい」など、変更も出てくるはず。
より良いモノをつくろうと思ったら、設計変更は不可欠だと思ってる。
結局、そのために工期が延びたり、コストアップしたり・・・・。
しわ寄せを受けるのはエンドユーザー(建築主)になるわけで、
何のための法改正なのか、はなはだ疑問でならない。
追)今回、構造審査基準が変更された木造3階建ての建築は、特に難しくなったようで、しばらくの間(新法運用が馴染むまで)は、より工期の余裕を持たせなければならないと思う。